Shuji Nihei
Photographer / Videographer
"表現者として"
時代を切り取ってきた写真家たちの作品を見ると、心が踊る
目の前の景色のどこをどう切り取り、どんな色をつけていくのか
撮る人の感性によって様々な表現をする事が
出来るこのジャンルはとても興味深い
個性が尊重されている今の世の中で
人と違う何かを表現することは簡単ではない
自分らしさとは何だろうか 過ぎていく日々の中に答えはあるのか
簡単に様々な情報が手に入る今の時代だからこそ
自分の足で知らない土地へ行き
自分の目で新しい景色を見る事の大切さを日々感じている
今回の旅もまたその重要性を実感した
Rute5,CA
同じ景色が目の前にあっても、
撮る人によって全く違うものになるのが
写真の一番の魅力だと感じている
少し前の自分では見る事の出来なかった、新しい切り取り方を探すのも楽しい。
自分の目で見ている景観に近いものを記録することはとても難しい事だが
ファインダーを覗くたびに気持ちは踊る
先程も述べたように
同じ景色が目の前にあっても、撮る人によって全く違うものになるのが
写真の一番の魅力だと感じている
自分の思い描く写真を撮るには、知識や技術ももちろん必要だが
それはあくまで先のことで
まず一番大事なのはファインダー越しではなく
自分の目に映る景色を楽しむ事だと感じている
Santamonica,CA
街、車、人、文化
気付いたら夢中で何回もシャッターを切っていた
アメリカ西海岸のワクワク感は今後世界中を旅しても超える事はないのではないか
自分にとってはこの土地は特別だ
街、車、人、文化
気付いたら夢中で何回もシャッターを切っていた
帰国して自分の写真を見返すと
夢中になっていたその時の興奮や喜びが湧き出てくる
そしてまた新たなる旅へ出かけたくなる
旅を通して、新たな文化に触れて、
感じたままにシャッターを切ることは
確実に自分を成長させてくれていると感じている
Los Angeles,CA
全てが完璧でなくてもいい
ただ見ていて何かを感じる写真を残していきたい
San Francisco,CA
面白いことに僕の撮った写真の中で、マークがつく写真たちは
何かを撮ろうとファインダーを覗いた時ではなく
何にも意識をしていない時の何気ない1枚であることが多い
ピントがずれていたり、少しぶれていたり、光量が多かったり
普段の仕事の中で撮るものとは真逆のもの
そんな写真の中にあることが多い
旅先では何かを計画してその場所に行き、写真を撮る事はあまりしない
全てが完璧でなくてもいいのだ
ただ見ていて何かを感じる写真を残していきたい
Santa Cruz,CA
時折写真が思い返させてくれることがある
今目の前で大切なことが起きているという現実を
今回の旅の相棒は、隣町で育ってきたプロサーファーの久米大志
年齢も自分と近く、物事に対して感じる方向性が近いことから
親しくなるには時間がかからなかった
彼もまたある種の表現者である
様々な形のサーフボードに乗り、同じ波は二度と来ないその波を
自分の思うようなラインを描き、観ている者を魅了する
常に変化し続ける目の前の波と調和し表現する
僕もそんな彼の
枠に囚われず自分らしく表現する彼のサーフィンに魅了された1人だ
サーファーも十人十色
そこに正解はなくそれぞれの個性を尊重しあっている
普段はDbのグローバルライダーでもある
大橋海人君と世界を周り、映像や写真を残し作品作りをしている
自分がサーフィンを始めた頃から彼は日本のスターだった
大勢の人が彼が表現するサーフィンに魅了され、虜になっていた
もちろん僕もそのひとりであった
今、こうして一緒に旅をできているのが信じられない
常に世界を観ていて、現状に満足せず
高みを目指し続けているその姿勢に日々刺激を受けている
Kaito Ohashi Mexico,2022
LAX
旅の始まりはいつも不安と興奮が奇妙に混じり合っている
これから始まる日々を妄想しながら
普段海で夕日を観ている時は
時間を忘れてしまう
頭の中はとても穏やかで
目に映る景色はとても繊細で
忙しない日常から、切り離された感覚になる
僕たちは色彩に囲まれて生きている
地球が生み出す美しいコントラストの中で
目まぐるしく動き続けるこの世の中で
安らぎは身近にある
モノクロは表現の一つとしてよく使用する
こんなにも奥深いものは無い
光と影
たったそれだけ
色彩で溢れている現実世界だからこそ
このシンプルな表現方法は
とても気に入っている
Los Angels,CA
Me and DB
雨や曇りを嫌っていた時もあった
今はそんな時にしかできない表現を楽しめている
全ては感覚
何かを感じてシャッターをきる
それが良かったのかなんて事はどうでもいい事である
Route66
旅を通して出会えるもの
旅を通して出会えるもの
まだ触れた事のない 景色、言葉、文化、価値観
その一つ一つが自分の感性になっていき
作品に活きてくる
個性を形成するのは全て
自分自身が経験してきたもの
旅を終えて帰国するたびに
表現者として何か成長出来たことを実感する
自分が描く未来への道のりはまだまだ長い
それでも歩みを止めずに 1歩ずつ進んでいく
Shuji Niehi
Photographer / Videographer
instagram @shujinihei
1995年神奈川県藤沢市出身 小さい頃から何かを創造する事が好きだった少年は いつしかカメラを握るようになり 街の片隅で何気ない日常を切り取っている